ある日、寝て起きたら首を寝違えていた。
首を動かすと痛みが走ったが、寝違えるのは割とよくあることなので、かなりの痛みではあったが2~3日すれば治るだろうとあまり気にもせずにいた。

2日が経ち、3日も過ぎ、1週間が過ぎる頃には、痛みが増し首だけではなく肩や腕にも痛みが走り、ベッドから起き上がることさえ困難になっていた。

鍼灸、整体、整骨、整形外科…思いつく診療所には一通り足を運んだが一向によくならない。むしろ悪化する一方。2週間が過ぎた頃には、いつもの速度で歩くことさえままならなくなっていた。

仕事だけではなく、日常生活にもかなりの支障をきたしはじめたところで、本格的に焦りを感じ近所にある関東中央病院という大きな病院の整形外科に行くことにした。
街の整形外科医でレントゲンを撮って薬を処方されても一向によくならなかったので、あまり期待はしていなかったが、嫁に強く「行け」と言われ、「行くわ」と言ってしまった手前、行かざるをえなくなった。

レントゲンを撮って、MRIを撮って、頸椎症…軽度のヘルニアと診断され、街の整形外科と同様にまたしても薬を処方された。今回は、痛み止めに加え痺れを押さえる薬も追加。

「う~ん、これで良くなるのか?」と半信半疑だったが、家に帰り夕食後に薬を飲むと、次の日にはすっかり痛みが消えていた。昨日までの痛みが嘘のよう。コルセット無しでは動くことさえ困難だったのが一気に元の生活に戻った。

驚いた、というか少し感動した。

40歳を過ぎた頃から、今までの無理をしてきたせいか、次から次へといろいろな病気や肉体の不調が襲ってくる。

毎度、身体の不調をきたすと「ちゃんとした生活を心がけよう」と思うものの、また元の生活に戻ってしまう事の繰り返し。社長になって、結婚して、そろそろ規則正しい生活をしなければと思いつつもなかなか出来ない。