誕生日の今日、埼玉に住む母親が、親戚の家に行くついでに手作りの惣菜と地元のまんじゅうを持って訪ねてきた。
1時間ほど自宅に居た後で、僕の方も午後から用事があり、母親も親戚の家に向かうということで一緒に駅に向かうことになった。
外に出て、いつもにように歩き始めようとしたら母親の歩く速度が遅い。
僕の歩く速度の半分以下だ。慌てて、歩く速度を落としたが、母親の速度に合わせて歩いていたら予定していた電車に間に合うかギリギリの時間だ。
少し焦ったが、よくよく考えてみると母親と2人で東京を歩くことなど記憶にないくらい久しぶりだ。
東京というか、2人で歩く事すら記憶にない。
「いつぶりだっけか?」
そんな事を考えていたら、母親の速度に合わせて歩いてみようと思った。
電車を1本逃しても大した問題じゃない。
駅まで普段5~6分で着くところを10分程度かかったが、電車にはギリギリで間に合った。
いつもより、長い5分。
母親との歳の差、29歳。
40歳を過ぎたころから老いを感じながら生きているが、29年後・・・。
「そりゃ、歩く速度も遅くなるわな」
記憶の中にある母親は、いつまでたっても変わらない母親だが、現実は70を過ぎたおばあさん。1日1日老いていく。
母親と歩きながら、「1日1日を精一杯生きねば」と改めて心に誓った誕生日。
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